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鳥居 建男; 杉田 武志*; 田辺 朝知子*; 木村 嘉尚*; 鴨川 仁*; 矢島 千秋*; 保田 浩志*
大気電気学会誌, 3(1), p.111 - 112, 2009/00
夏季雷活動に起因すると考えられる放射線変動(複数形)が富士山頂において観測された。それらは数分から最長20分間続く緩やかな変動であり、10MeV超の連続スペクトルを持つ高エネルギー線であった。これらの変動の特徴から、個々の雷放電との関係は認められず、雷雲の高電界に起因して大気中の高エネルギー電子が加速され生成された逃走電子からの制動放射線であると考えられた。観測に使用した5インチNaI検出器は線(光子)に高感度であるが、高エネルギー電子の入射により発生した光子と弁別ができない。高エネルギー電子の入射も含めたスペクトル解析との比較の結果、光子のみの解析で十分に収束することから、入射粒子の大部分は光子と考えられる。
鳥居 建男; 杉田 武志*
大気電気学会誌, 2(1), p.105 - 106, 2008/00
大気中に広く存在する放射性物質であるラドン,トロンとそれらの崩壊生成物がもたらす雷雲電界内での電離量をモンテカルロ計算によって解析し、これらの核種による逃走電子の生成と逃走絶縁破壊の可能性について検討した。その結果、高度2kmの大気で250kV/m(1気圧換算で約320kV/m)を超えると急激に電離量が増加することがわかった。また、チェルノブイリ事故が発生した1986年に放射性物質の汚染密度が高かったスウェーデン中部において雷放電が多発したことから、フォールアウト核種が雷活動に与える可能性についても解析を行った。
鳥居 建男; 杉田 武志*; 村木 綏*
大気電気学会誌, 1(2), p.73 - 74, 2007/00
冬季雷活動時に環境放射線モニタの線量率が上昇する事象が観測されることがある。この放射線の特徴を把握するために、異なる遮へい材を使用した比例計数管を用いて、冬季雷活動時に観測される高エネルギー放射線挙動について調査した。その結果、雷放電前に緩やかな上昇を示し、雷放電とほぼ同時に放射線バーストが発生する事象が観測された。前者のエネルギーは1-3MeV、後者は10MeV超であった。